こんばんは。今回は救急車 その3です。
その3では、その1及びその2で紹介した、トヨタ並びに日産以外の救急車を紹介します。
札幌ボデーが販売している救急車はトライハートと呼ばれ、1992年に札幌市消防局との共同開発で誕生しました。高床キャンターをベースにすることで悪路の走破にも優れ、またトラックベースから室内空間の広さを実現しました。
1992年以降5代目キャンターから7代目キャンターまでのモデルが使用されていましたが、8代目キャンターが登場する際にエアサスのモデルが消滅するため、2008年からはいすゞエルフエアサス車をベースのものに変わりました。
なお、乗員定数は10名と国内高規格救急車では最大の人数を乗せることができます(なお3代目ハイメディックは8名)
写真は長野県諏訪広域消防本部の車両で7代目キャンターをベースにしています。
ちなみに、国産高規格救急車でトラックベースで販売しているものは、現在このトライハートのみとなっています。
三菱自動車が1997年に登場させた高規格救急車がディアメディックです(写真は島田市消防本部の車両。更新済み)
上記トライハートと同様にキャンターをベースにしていますが、短尺のボディを使用し最少半径4.9mという小回りを実現しました。東京消防庁などでも導入されましたが、2002年にキャンターのフルモデルチェンジに伴い生産終了となりました。
帝国繊維が発売していた救急車はオプティマと呼ばれていました。こちらはディアメディックに比べ車体長が長く、正にトラックベースの救急車というものでした。現在はほとんどが廃車になっており、予備車として残っている車両も少なくなってきています。
いすゞ自動車は、1995年にトラックベースのスーパーメディックを発売していました。こちらはいすゞエルフをベースとした車両で、トライハートやオプティマに比べ横に広い印象の車両でした(写真は三島市消防本部の車両。更新済み)
なお、低床と高床の2車種がありましたが、乗り心地などは悪いようです(写真は富士市消防本部の車両。更新済み)
トラックベースで最大級と言えば、東京消防庁が導入したスーパーアンビュランスが思い浮かびます。
こちらは1台目(すでに更新済み)、2台目ともに三菱ふそうグレート(2台目はスーパーグレート)をベースにしており、傷病者の収容数も高規格救急車などよりはるかに大きいものとなっています。なお、東京消防庁には現在2台が在籍しており、第2方面隊ハイパーレスキューに2台目が、第8方面隊ハイパーレスキューには3台目(いすゞギガベース)が配備されています。
この他にも、マイクロバスをベースとした救急車が存在し、消防本部所属車両では東京消防庁第3方面隊ハイパーレスキューの車両と愛知県知多中部広域事務組合消防本部に配備されています。
こちらは病院のドクターカー。規模の大きい病院では、ドクターカーやNICU(新生児集中治療)としての車両で導入されることが多く、消防ではあまり見られないマイクロバスベースの救急車がいたりします。なお、最近では搬送を救急車にし、初期治療で医師が同行するケースが多くなってきたため、医師と初期治療設備を運ぶためだけのドクターカーが増えてきています。これらの車両はセダンタイプやステーションワゴンの車両またはRV車ベースの車両が多く、小回りが利く点ではマイクロバスなどに比べて優れています。
以上で、その1~その3まで特集しました救急車についての説明を終わります。
次回は、化学工場や規模が大きい油火災などで活躍する化学車を特集します。では